フラッシュ422
2019年3月26日
 

カショギ氏事件が照らす中東の現状
‐情報戦と覇権争いの不毛-

 
夏目 美詠子
(一財)国際貿易投資研究所 客員研究員
 

2018年10月2日にトルコ・イスタンブルのサウジアラビア総領事館で起きた米ワシントン・ポスト紙コラムニストのジャマル・カショギ氏殺害事件については、日本のメディアでも連日センセーショナルに報道された。サウジアラビア人ジャーナリストのカショギ氏は、総領事館内部でムハンマド・ビン・サルマン皇太子の側近らによって惨殺された。トルコ政府は事件の概要を総領事館内に設置した盗聴器によって掌握していたとみられ、凄惨な殺害現場を視覚的に再現するような情報を流して世界を震撼させた。事件の余波は未だ収まらず、年が明けても米国議会や国連が事件を糾弾する決議や声明を発表、改革の旗手と目されていたムハンマド皇太子の国際的な信用と権威は失墜し、事件はサウジにとって米同時多発テロ(9.11)と並ぶ外交危機となった。トルコは小出しの「リーク」を繰り出す情報戦で国際世論を味方につけ、サウジを執拗に追い詰めた。両国は、2011年の「アラブの春」で多くの国家が破たんあるいは弱体化する中で生まれた「力の空白」を、自らの体制維持や勢力伸長に利用しようとする熾烈な覇権争いを繰り広げてきた。

本稿では、カショギ氏殺害事件の経緯を振り返りながらトルコの情報戦の展開と問題点を指摘するとともに、両国対立の要因を読み解き、中東アラブ地域のスンニ派世界で繰り広げられている覇権争いの実態を照らし出してみたい。

<情報戦の照準は米国世論>

米Time誌は2018年12月、「The Person of the Year」に、トルコ・イスタンブルのサウジアラビア総領事館で殺害されたワシントン・ポスト紙コラムニストのジャマル・カショギ氏ら4人のジャーナリストと米国の地方新聞1社を選んだ。同誌は、彼らを「真実を求める戦い(War on Truth)の守護者(Guardian)」と呼び、「近年で最も民主主義が危機に瀕し、真実の歪曲や悪用が常態化している」現在の世界において、脅迫と迫害に屈せず、真実追及を続けた勇気を称えた(注1)。同誌が死亡した人を「今年の人」に選ぶのは初めてだという。

国際非政府組織(NGO)「国境なき記者団」によれば、2018年に殺害された職業ジャーナリストはカショギ氏を含む63人で、2017年の55人を上回った(注2)。同じく国際NGOの「ジャーナリスト保護委員会(Committee to Protect Journalists)」は、2018年に投獄された職業ジャーナリストは251人と発表、うち68人がトルコで投獄されている。中国の47人、エジプトの25人、サウジアラビアの16人を上回って、その数は世界最大だ(注3)。

サウジアラビア人ジャーナリストのカショギ氏は、自国民を保護すべき在外公館の内部で、自国政府を批判したことを理由に、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の側近らによって惨殺された。皮肉なことにその蛮行は、世界で最も多くのジャーナリストを投獄するトルコ政府が繰り出す「リーク情報」によって暴かれ、改革の旗手と目されていたムハンマド皇太子の国際的な信用と権威は失墜した。カショギ氏を襲った悲劇は、ジャーナリストの人権をともに蹂躙するトルコとサウジが地域覇権を争う情報戦の材料となった。

自国領内で起きた外国政府関係者による殺人で、犯行現場は治外法権が保証された総領事館という取扱困難な事案を、トルコはどのように告発あるいは利用したのだろうか。事件の経緯を内外の報道を追いながら検証してみよう。

10月2日、トルコ人婚約者との再婚を10日後に控えたカショギ氏は、サウジ人前妻との離婚証明書を取得するため、在イスタンブル・サウジ総領事館に入り、消息を絶った。外で待っていた婚約者は、「自分に何かあったら連絡するように」とカショギ氏から指示された与党・公正発展党(AKP)議員でレジェップ・タイップ・エルドアン大統領の顧問を務めるヤシン・アクタイ氏に連絡した。翌3日から内外メディアが同氏の行方不明を報じたが、同氏殺害を最初に報じたのは、6日付の米紙Washington Post(WP)とNew York Times(NYT)だった(注4)。両紙はともに、トルコの匿名の捜査関係者が接触してきて、証拠を示すことなくカショギ氏が総領事館内部で殺されたと断言したことを伝えている。次いでNYTは9日、実行犯の中に法医学者がおり、骨を切断する電気のこぎり(Bone Saw)を持ち込んでカショギ氏の遺体をバラバラに切断したと報じた。情報源はエルドアン大統領の命を受けた複数の捜査担当者で、殺害指示はサウジ王室の最高レベルから出ていることを示唆したと伝えた(注5)。殺害の第一報をトルコ紙ではなくNYTとWPに報道させたのは、対米関係悪化で経済苦境に陥り、外交的に孤立していたトルコの戦略だった。サウジを直接糾弾することを当面は避け、事件の非人道性を米国世論に訴えることでトランプ米政権とサウジの蜜月関係に楔を打ち込もうとした(注6)。

国内ではAKP政権に近い日刊紙SabahとYeni Şafakが、カショギ氏関連の報道をほぼ独占した。 10日付のSabahは、実行犯が10月2日に2機のプライベートジェットでサウジ本国からイスタンブルへ飛来し、総領事館に入った後、同じ日に帰国したと報じ(注7)、空港の防犯カメラで撮影された実行犯15人の顔写真も掲載した(注8)。一方、10日付のWPは、米情報機関がサウジ政府高官(後にムハンマド皇太子と側近だったと判明)の会話を傍受しており、カショギ氏に好待遇を示して帰国させ、拘束する計画があることを事前に察知していたと報じた。NYTは独自に実行犯の身元を割り出し、15人中9人が政府高官や軍人など皇太子の側近だと報じた(注9)。トランプ米大統領は13日、「カショギ氏殺害にサウジ政府の関与が判明した場合は厳罰を科す」と初めてサウジ政府を批判したが、具体的な制裁措置については言及を避けた。サウジ政府はこの時点でもまだ、「カショギ氏は総領事館を(生きて)退出し、行き先は不明」と殺害を否定していた。

<対米関係好転を導いたブランソン牧師解放>

業を煮やしたトルコ政府は、10月中旬以降、手中にあると主張する音声記録の内容をSabahおよびYeni Şafakにリーク、両紙は凄惨な殺害を実況中継するような報道を始めた。両紙の記事内容をNYTとWPは即座に翻訳して報道し、世界中のメディアが追随することで、サウジに対する嫌悪感や不信感が国際社会で増幅していった。10月17日付のYeni Şafakは、総領事館内でカショギ氏が殺害された後、遺体を切断する法医学者が周囲の者に音楽を聴くよう勧めたり、「ここでそんなことをするな」と叫ぶ総領事に実行犯らが「命が惜しければ黙っていろ」と恫喝したりする様子を生々しく伝えた(注10)。その前日、ポンペオ米国務長官はリヤドを訪問してムハンマド皇太子と会談しており、同紙の報道は米・サ両国による事件の幕引きを許さないトルコ政府の意向を示していた。サウジ政府は20日、本国送還に抵抗したカショギ氏を誤って殺害したと認め、遺体はトルコ人協力者に引き渡したので所在は不明との声明を出した。併せて、イスタンブルに赴いた15人を含む18人を殺害に関与した容疑で逮捕、皇太子側近2人(アシリ情報機関副長官およびカハタニ王室顧問(メディア対策担当))の解任を発表したが、カショギ氏拉致計画について皇太子は何も知らなかったと強調した。

トルコがサウジとの対決姿勢に転じたのは、対米関係の好転も絡んでいた。トルコで2年近く勾留されていた米国人のアンドリュー・ブランソン牧師の釈放・本国帰還が10月12日に実現したのだ。ブランソン氏はキリスト教福音派の牧師で、20年以上にわたってエーゲ海沿岸のイズミルで布教活動を行ってきた。ところが複数の匿名証言によって、2016年7月に起きたクーデター未遂事件の首謀者とされる「ギュレン教団」や、テロ活動を続けるクルディスタン労働者党(PKK)を支援した罪に問われ、同年10月に逮捕・勾留されていた。

2018年11月の米中間選挙に先立って、最大の支持基盤である福音派からブランソン氏解放を強く求められたトランプ政権は、トルコ政府と「人質交換」交渉を行った。トルコが同氏と引き換えに解放を望んだのは、対イラン制裁破りに関与したとして米国で逮捕され、禁固32ヵ月の実刑判決を受けて服役中の国営ハルクバンクの元副頭取ハーカン・アッティラ氏だった。しかし2018年7月末に解放されたのはイスラエルがハマス支援の疑いで拘束していたトルコ人女性で、約束が違うと憤ったトルコ政府はブランソン氏の処遇を自宅軟禁に切り替えたものの、釈放は見送った。激怒したトランプ大統領は直ちにツイッターでトルコに対する制裁発動を警告、8月1日にグローバル・マグニツキー法(注11)に基づき、トルコのギュル法相とソイル内相に米国内資産凍結等の制裁を科した。次いで10日には、トルコから輸入する鉄鋼とアルミニウムに対する追加関税を、現状の2倍となる50%と20%に引き上げた(注12)。

一連の制裁措置を受けて、通貨トルコリラは8月末までに年初比で50%以上暴落、9月の消費者物価上昇率は15年ぶりに20%を突破した。短期対外債務残高が外貨準備高を上回る危機的状況のなか(注13)、事態打開の切り札となったのがブランソン氏釈放だった。10月13日に米国に帰国したブランソン氏を、トランプ大統領はホワイトハウスに招き、エルドアン大統領に謝意を表した。米・ト両国は11月2日に互いの法相、内相に課した制裁を解除した(注14)。

エルドアン大統領は、対サウジ情報戦の照準をムハンマド皇太子に定め、カショギ氏殺害指示を出したのは皇太子だと米国政府に認めさせることに全力を傾注した。事件発生当初は、経済苦境に喘ぐトルコがサウジに支援を求め、事件を不問に付すのではと予測する報道も多かった。実際、サルマン国王の内命で来訪したメッカ州知事のファイサル王子は、トルコへの金融支援と投資に加え(注15)、トルコと同盟を結ぶカタールへの制裁解除を提示して事態収拾を図ろうとした。ところが、エルドアン大統領は「政治的賄賂だ」と一蹴したという(注16)。トルコはサウジ政府の「主権侵害」と犯罪を徹底追及する方針を明確にした(注17)。両国の「手打ち」の機会は失われた。

<対立の根底にはムスリム同胞団>

トルコとサウジは2011年の「アラブの春」以降、中東政治における主導権争いを続けてきた。その根底にはムスリム同胞団に代表されるイスラム政治運動を巡る対立がある。トルコのAKP政権が、思想的に近いムスリム同胞団を中東全域で支援してきたのに対し、サウジやアラブ首長国連邦(UAE)は2014年に同胞団をテロ組織に指定し、厳しく取り締まってきた。

建国以来厳格な世俗主義が国是だったトルコにムスリム同胞団は存在しないが、エルドアン大統領はAKPの前身のイスラム政党を率いたネジメッティン・エルバカン氏とともに、1970年代から中東各国の同胞団と親交を深めてきた。2002年のAKP政権発足後、関係はさらに強化され、2011年の「アラブの春」以後は各国に同胞団主導の政権を樹立するべく、支援に奔走した(注18)。

2013年7月、エジプトで同胞団主体のモハメド・モルシ政権が、アブデルファタハ・シシ参謀総長(現大統領)率いる軍事クーデターで打倒されると、トルコはエジプトを激しく非難、多数の同胞団員の亡命を受け入れた。イスタンブルは、同胞団関係者を中心に120万人のアラブ反体制派が集結する都市となった(注19)。エジプトとは相互に大使を召還、関係は冷え込んだままだ。同胞団支援でトルコと盟友関係にあるのがカタールだ。多数の同胞団幹部を保護し、多額の資金援助を行ってきたほか、政府が出資する衛星放送Al Jazeera(AJ)は「アラブの春」当時、露骨な同胞団支持で「偏向報道」と批判された。カショギ氏殺害についても、AJはオンライン・ニュースMiddle East Eye(MEE)とともにトルコ政府のリーク報道を続け、対サウジ情報戦を支えた。

一方、サウジとUAEを含む湾岸諸国は、エジプトで結成された同胞団が1954年にナセル政権によって非合法化されると、多くの同胞団員の亡命を受け入れ、人材不足だった教育・司法分野に活躍の場を与えた。シリアやパレスチナからも流入した同胞団員は、各国に支部を築いて政治的影響力を強めた。サウジやUAEの同胞団は1990年代以降、公然と政府批判をするようになり、米同時多発テロ(9.11)後は国外のテロ組織との繋がりも表面化したことから、両国政府は同胞団員の公職追放や逮捕など取り締まりを強化してきた。しかし、2011年の「アラブの春」を復活の機会と捉えた両国の同胞団は、リベラルな知識人らと協力して普通選挙の実施や議会開設などの改革要求を政府に突き付けた。2012年にはムバラク政権打倒後のエジプトで初めての民主的な選挙が実施され、同胞団出身のモルシ大統領が選出された。同胞団による王家・首長家支配の転覆を警戒するサウジ・UAE両国は、シシ参謀総長による軍事クーデターを即座に支持し、クウェートとともにシシ新政権に対する総額120億ドルの資金援助を申し出た。両国はともに2014年に同胞団をテロ組織に指定した(注20)。

さらに2017年6月、サウジ・UAE・バハレーン・エジプトは「同胞団を含むテロ組織支援」を理由にカタールと断交した(注21)。4か国は陸・海・空の交通を遮断し、貿易も停止、経済封鎖に直面したカタールはトルコ、イランから食料や日用品の緊急輸入を強いられた。トルコとカタールは2015年3月に軍事協力協定を結び、トルコ軍はカタールへの小規模な駐留を開始していたが、4か国による断交後、トルコ国会は駐留部隊の増派を決定、カタール防衛の姿勢を明確にした。

トルコ・カタールとサウジ・UAEの対立は、中東と周辺地域での覇権争いにまで発展している。リビアの内戦では各々が対立する武装勢力を支援し(注22)、バーブ・アルマンデブ海峡を擁する「アフリカの角」地域では港湾施設や海軍基地建設、経済権益確保を目指し、沿岸国(ソマリア・ジブチ・エリトリア・スーダン)との関係強化を競っている(注23)。シリア内戦では、トルコ、カタール、サウジが各々別の反政府武装勢力を支援しつつ(注24)、アサド政権打倒で共闘した時期もあった。しかし2017年6月、トルコが断交に直面したカタール支援に動くと、サウジ・UAEはシリアで米軍と共闘するクルド人民防衛隊(YPG)に接近、2018年1月のYPGを標的にしたトルコ軍のアフリン侵攻(「オリーブの枝」作戦)を非難するとともに、YPG主体のシリア民主軍(SDF)がISから解放した地域の復興を支援するとして、2018年8月にUAEが5,000万ドル、10月にサウジが1億ドルを供与した(注25)。加えてトルコとサウジは、モスク建設への支援等を通じて国外のスンニ派ムスリムへの影響力拡大でも競い合っている(注26)。カショギ氏殺害から間もない2018年10月15日、エルドアン大統領は「トルコはイスラム世界を統率する唯一の国だ」と述べた(注27)。

<反体制派セレブだったカショギ氏>

ではなぜ、カショギ氏はイスタンブルでサウジ当局者に殺害されたのだろうか。それはカショギ氏が単なるジャーナリストではなかったからだ。カショギ氏は王族ではないが王族に近い、メディナの裕福で教育水準の高い一族に生まれた。祖父はサウジの初代国王アブドゥルアジズの主治医、伯父は武器商人として巨万の富を築いたアドナン・カショギ氏、従兄弟は英国のダイアナ元皇太子妃とともに自動車事故で亡くなったドディ・アルファイド氏だ(注28)。祖先はトルコのカイセリから巡礼に来てそのまま定住したトルコ人だという(注29)。米国の大学でジャーナリズムを学んだ後、いくつものアラブ紙でジャーナリストとして働き、80年代にはアフガニスタンでアラブ義勇兵として戦っていたオサマ・ビン・ラーディンにインタビューしている。2003~06年には、サウジ情報局の元長官で駐英・駐米大使に任命されたトゥルキ・ファイサル王子に乞われ、顧問として大使館で働いた。2007年にジャーナリストに復職するが、反体制的な論調に傾き、何度も失職に追い込まれている。2015年1月に即位したサルマン国王の下でムハンマド皇太子が実権を掌握するにつれて、政府に批判的なジャーナリストや活動家に対する統制が強まり、2017年11月には皇太子の進める改革に不満を持つとみられた王族や実業家数百人が「汚職追放」の名目で拘束された。カショギ氏はアルハヤト紙のコラムニストだった2016年11月、就任したばかりのトランプ大統領に急接近しようとするサウジ政府の外交姿勢を批判し、カハタニ王室顧問から書くことも話すこともTweetすることも禁じられた(注30)。

2017年6月、同氏はサウジアラビアを離れて米国に渡り、9月からWPに寄稿を始めた。約1年続いたコラム執筆でムハンマド皇太子に言及しない回はなく、改革を称賛する一方で、多様な勢力・言論への寛容さを失った故国の現状を嘆いている(注31)。エジプトのモルシ政権を倒した軍事クーデターを誤りだと非難し、アラブ諸国では同胞団に代表されるイスラム政治運動なしに民主主義の実現はあり得ないと論じている(注32)。カショギ氏は1970年代に同胞団に加わり、その後距離を置いたが、選挙を通じてイスラム社会の実現を目指す同胞団の思想に親近感を抱き続けた。渡米後は同胞団の在米組織やトルコ政府高官と親交を深め、カタール政府が出資する財団からコラム執筆に際して支援を受けた(注33)。同氏の渡米後の行動がムハンマド皇太子の逆鱗に触れたであろうことは、想像に難くない。2019年2月7日付のNYTは、米情報機関が傍受した側近との会話内容として、皇太子がカショギ氏の批判に苛立ち、どうしても連れ戻せない場合は「銃弾」を使えと発言したことを報じた(注34)。皇太子は2018年3月にエジプトを訪問した際、「トルコ・イラン・宗教過激派は現代の悪のトライアングル」と述べ、トルコのAKP政権がカリフ制の再興を目指していると不快感を示したという(注35)。2018年5月にイスタンブルで開催された国際会議でトルコ人婚約者と出会ったカショギ氏は、結婚後は米国からイスタンブルに移り住むことを決めていた(注36)。

<崩せなかったトランプ大統領のサウジ擁護>

エルドアン大統領はサルマン国王がムハンマド皇太子を退け、実権を掌握することを望んだのだろう。2018年10月23日、皇太子主導の経済・社会改革をアピールする場として「砂漠のダボス会議(The Future Investment Initiative (FII))」がリヤドで開催されたのに合わせ、カショギ氏殺害の「ありのままの真実を示す」と国会演説に臨み、「計画的犯行を誰が命じたのか」回答を求めるとともに、捜査に協力的で「誠意を疑いようのない」サルマン国王を称えた(注37)。FIIには海外主要企業の幹部が相次いで出席を取り止め、ムハンマド皇太子の面目は潰れた。出席者の多くがエルドアン大統領の国会演説を中継するスマートフォンの画面を見つめていたという(注38)。エルドアン大統領のサルマン国王への期待には理由があった。国王はリヤド州知事だった1980年代、同胞団と連携してアフガニスタンで戦うアラブ義勇兵の支援団体を多数設立しており、国王に就任した2015年には同胞団に対する取り締まりを緩和した。シリア内戦を機に勢力を拡大したイランに対抗するため、思想対立よりもスンニ派諸国の軍事的結集を優先する思惑があったとされる。同年12月にサウジは、同胞団を支援するトルコやカタール、スーダンを含む34か国が参加した「イスラム軍事同盟(Islamic Military Alliance to Fight Terrorism (IMAFT))の設立を発表した(注39)。ところが2017年6月にムハンマドが副皇太子から皇太子に昇格し、内政・外交の実権を握ると、同胞団は再び敵視されるようになった(注40)。

2018年11月13日、エルドアン大統領はカショギ氏殺害の音声記録を米・英・仏・独・カナダ・サウジ政府に提供したと明らかにした。15日、サウジ検察庁は同氏殺害の容疑者11人を起訴し、5人に死刑を求刑、米国務省は独自に選定した容疑者17人に対し、グローバル・マグニツキー法に基づく米国内資産凍結等の制裁を科した。16日、米中央情報局(CIA)は「カショギ氏殺害は皇太子が命じた」と結論付け、大統領と議会に伝えた。その根拠として、トルコが提供した音声記録の中で、実行犯のリーダーが皇太子側近に電話をかけ、「任務完了とボスに伝えろ」と言ったこと、米情報機関が傍受した電話の中で、皇太子がカショギ氏を何とかして帰国させようとしていたことを挙げた(注41)。ところがトランプ大統領は20日の声明で、「同氏殺害は看過できない犯罪だが、サウジはイラン包囲網に欠くことのできない存在で、4,500億ドルの対米投資を約束してくれた重要な同盟国だ。カショギ氏は「国家の敵」で「同胞団員」だと聞いた。すべての事実が明らかになることはないだろう。同氏の殺害計画について皇太子は知っていたかもしれないし、知らなかったかもしれない」と述べ、皇太子の責任を追及しない姿勢を明確にした(注42)。

<米国で高まるサウジへの不信感>

だが、米国議会の対応は違った。10月10日に、コーカー米上院外交委員長以下22人の上院議員がグローバル・マグニツキー法に基づき、カショギ氏殺害の責任は誰にあるのか調査し、その人物に対する制裁を発動するかどうか120日以内に決定するよう、大統領に要請した(注43)。さらに12月13日、米上院はサウジに関する2つの決議を採択した。一つはサウジが主導するイエメンへの軍事介入に対し、米軍に今後の協力停止を要請するもので、賛成56対反対41で採択された。もう一つはカショギ氏殺害についてムハンマド皇太子を非難し、容疑者の処罰を要求するもので、全会一致だった(注44)。2019年2月13日、中間選挙で民主党が過半数を制した下院でも、イエメンにおけるサウジへの軍事協力停止を求める決議が賛成248反対177で採択された(注45)。上院は最初の決議が廃案となったことを受け、3月13日に同様の決議を54対46で採択した(注46)。下院でも採択されれば法案となるが、トランプ大統領は拒否権を使うと明言している。大統領は2019年2月8日が期限だったグローバル・マグニツキー法に基づく調査報告と制裁発動決定も見送った(注47)。大統領のサウジ擁護姿勢は揺るがなかった。

ではなぜトランプ大統領に近いとされた大物共和党議員でさえも、大統領の方針に反してサウジの非人道性を糾弾したのだろうか。根底にあるのは、カショギ氏殺害によって呼び起こされた9.11の記憶だと米外交問題評議会(CFR)フェローのスティーブン・クック氏は指摘する(注48)。実行犯19人中15人がサウジ人だった同時多発テロへのサウジ政府の関与は明らかにされていないが、くすぶり続ける国民の怒りが議会を動かし、2016年に遺族がサウジ政府に損害賠償を求めることを可能にするテロ支援者制裁法(Justice Against Sponsors of Terrorism Act )が成立した。権威主義国家による反体制派の言論弾圧に米国世論の関心が必ずしも高いとは言えないなかで、カショギ氏殺害に国民がひときわ強く反応したのは、9.11以降決して払しょくされないサウジへの根深い不信感が呼び起こされたからだという(注49)。

<情報戦に繰られた海外メディア>

つまり、トルコの情報戦は成功したのだ。「トランプ大統領に見限られたムハンマド皇太子が失脚する」シナリオこそ実現しなかったが、カショギ氏殺害事件はサウジにとって9.11以来最悪の外交危機となった。国連も独自の調査に乗り出し、2019年2月、超法規的処刑等を扱う人権問題専門家が「サウジ当局者によって計画・実行された殺人」との結論を発表した(注50)。3月には国連人権理事会が、47理事国中36か国の賛成でサウジ非難声明を発表した。サウジが拘束する女性活動家らの釈放を求めるとともに、「最も強い言葉で」カショギ氏殺害を非難している(注51)。

エルドアン大統領は2018年12月、アルゼンチンで開催されたG20最終日の会見で、世界中のメディアからカショギ氏殺害に関する情報提供依頼があるたび、国家諜報機構(MİT)から担当者を送って説明させたと明かした。しかし情報の入手経路については口をつぐんだままだ。

トルコの情報戦に動員された欧米メディアは、自らがトルコのリーク情報を拡散するツールに成り下がっている危険性を十分認識しつつ、他に有力な情報源がないなかで自責の念を抱きながら報道を続けた(注52)。トルコでは2016年7月のクーデター未遂以来180以上のメディアが閉鎖され、Sabah、Yeni Şafakを筆頭に現在は9割以上のメディアが政権寄りだ。英国放送協会(BBC)はSabah、Yeni Şafakが過去に報じたフェイクニュースを取り上げ、両紙のリーク報道追随に警鐘を鳴らした(注53)。カショギ氏殺害の報道でもSabahが、総領事館内の音声が入手できたのは、同氏が身に付けていたアップルウォッチから婚約者が預かっていたアイフォンに録音データが転送されたからだというフェイクニュースを流した(注54)。欧米メディアは一斉にファクトチェックを行い、トルコの通信環境では不可能と断定した(注55)。「外交関係に関するウィーン条約」第27条で定める「外交使節団の通信不可侵」を蔑ろにする盗聴を覆い隠す意図だったのだろうか。

トルコの情報戦はまだ終わっていない。2018年12月にSabahの記者3人が、MİTから新たな情報を得て事件の全容をまとめた本を出版(注56)、2019年2月にはカショギ氏のトルコ人婚約者が回想録を出版(注57)、3月にはAJが「カショギ氏の遺体はサウジ総領事館庭の巨大な窯で3日かけて焼かれた」と報じた(注58)。遺体は「酸で溶かされた」(注59)、「総領事公邸の井戸に真空パックで吊るされている」(注60)などさまざま報じられてきたが、未だに見つかっていない。奇妙なことに、執拗にサウジを追い詰める一方で、トルコは大使召還などサウジに対する外交措置は取っていない。

トルコの情報戦のあり方を最も鋭く批判したのは、野党・共和人民党(CHP)のクルチダルオウル党首だった。「総領事館内の音声を持っていて、実行犯の動きも掌握していながら、なぜみすみす出国させたのか、なぜ初動捜査が遅れたのか、サウジから金でも貰っていたのか」と述べ、大統領に対する侮辱罪で訴えられた(注61)。海外メディアで彼の発言を報じたのはロイターだけだ(注62)。

<「煉獄」で続く覇権争いの不毛>

サウジはカショギ氏に限らず、反体制派ジャーナリスト、女性の権利拡大を唱える活動家、SNSに王室批判を投稿する留学生、社会や家族の抑圧から国外に逃れ、難民申請する若い女性たちを世界中で拉致し、投獄してきた国だ。本人の拉致に失敗すると、国内にいる家族を逮捕あるいは出国禁止にする(注63)。王室メンバーであっても、体制批判を止めなければ容赦なく「失踪」する(注64)。勾留中の女性活動家たちが拷問を受けているという告発も相次いでいる(注65)。

トルコも同じことをしている。2016年7月のクーデター未遂以後、その首謀者とされた「ギュレン運動」(Fethullahçı Terör Örgütü(FETÖ))が世界中に設立した学校の教師たち、国外に逃れた「運動」の幹部やギュレン系メディアのジャーナリストたちを主たる標的として、トルコ警察は国際刑事警察機構(ICPO:インターポール)に多数の国際手配書(Red Notice(注66))発行やディフュージョン(Diffusion(注67))を申請(注68)、少なくとも16か国からトルコ国民数百人の強制送還に成功したとされる(注69)。中には、国家諜報機構(MİT)が直接拉致・送還に乗り出したケースもある(注70)。Red Noticeの申請はギュレン運動関係者だけでなく、AKP政権に批判的なジャーナリストに対しても行われている。独ベルリンに亡命中のジャン・デュンダル氏は、2016年までトルコで最も歴史が古い独立左派紙ジュムフリエトの編集長だった。2014年にシリア国境で、MİTが手配した輸送車列が反政府武装組織へ供与する武器弾薬を運んでいたことを暴いた記事を掲載して逮捕・勾留され、裁判で係争中に法廷外で見知らぬ男から銃撃を受け、テロ組織ほう助や国家転覆の疑いで複数の終身刑を求刑された。クーデター未遂発生時に国外にいてそのままドイツへ亡命、ジャーナリストとしての活動を続けている。実は彼もTime誌が紹介する「真実を求める戦いの守護者」の一人だ。彼はエルドアン大統領の情報戦を、欺瞞で笑止千万とこきおろしている(注71)。

つまるところ、両国のしていることに大差はなく、覇権争いなど不毛である。ムスリム同胞団を巡る対立にしても、真に思想対立なのか疑わしい。サウジやUAEが同胞団を危険視するのは、同胞団が君主制を認めないからだという(注72)。それならばなぜ、サウジと同じ厳格なワッハーブ派を信奉する首長国で、サウジやUAE以上に国民の政治参加が厳しく制限されているカタールが、同胞団の最大支援国なのだろうか。実は両者の関係は微妙な政治取引の上に成り立っている。カタールにも他の湾岸諸国同様、50年代以降エジプト、リビア、シリア、パレスチナから同胞団員が流入し、教育現場で活躍した。しかし、カタールの同胞団支部は1999年に「首長家はイスラムに基づく正しい統治を行っている」として自主解散した。カタール首長家によるアラブ全域での同胞団支援と引き換えに、首長家の支配に異を唱えない合意が成立したのだという(注73)。かくしてカタールは、同胞団をAJ等のメディアと並ぶソフトパワーの「ツール」として活用するようになった。カショギ氏と親しかったトルコのアクタイ大統領顧問も、「同胞団支援はトルコが保持するソフトパワーの一つ」と述べている(注74)。一方、サウジやUAEの同盟国で君主制国家のバハレーン、クウェート、ヨルダン、モロッコでは同胞団員が国会議席を保持している。サウジとUAEが「同胞団の体制内取り込み」を理由にこれらの国々と断交することはないだろう(注75)。対立には多分に恣意的な側面が見え隠れする。

それでもサウジアラビアは、サウード家がワッハーブ派と盟約を結び、「正しいイスラム」を広めるためのジハード(聖戦)によって建国された宗教国家であり、「上からのイスラム」を体現する。対するトルコは、ムスリム同胞団に近いイスラム政党が18年間政権を維持し、国民からの「選挙による信任」に統治の正当性を置く「下からのイスラム」を代表する。しかしどちらも過激思想を内包し、民主主義とは究極的に親和性がない。後者は多数派独裁やポピュリズムに陥りやすく、両者ともに中東で渇望されている自由や寛容を認めず、国民への説明責任を果たさないという(注76)。

2011年の「アラブの春」で、アラブ地域では多くの国家が破たんあるいは弱体化した。そこに生まれた力の空白が、体制崩壊をかろうじて免れた国家を著しく不安定にした。こうした国家の指導者たちは、イランの勢力伸長と米国の中東関与放棄に脅えつつも、民衆蜂起の再来と拡大を何よりも怖れ、国内では反対勢力を弾圧し、対外的には力の空白を自らの体制存続と影響力拡大に利用しようと、相互に内政干渉や軍事介入を繰り返している。アラブのスンニ派地域は秩序が崩壊し、混乱と疑心暗鬼と殺戮がはびこる無法地帯と化している(注77)。米国は2000年代まで中東での覇権を保ち、域内国同士の紛争抑止など地域の秩序を維持する役割を果たしてきた。しかし米国にはもはや、「アラブの春」後に多発する域内国同士の「内輪揉め」と凄惨な代理戦争を収束させる力はなく、米国にとって中東は「煉獄」となった。エネルギー供給地としての重要性も薄れ、中東の戦略的価値はほぼ失われた(注78)。米国が去っていく「煉獄」で、スンニ派が主体の唯一の非アラブ国家として、トルコは何をしようというのだろうか。カショギ氏殺害を巡る情報戦に勝利したかに見えても、アラブ地域でトルコの盟友はカタールしかいない。サウジとの覇権争いでどちらが勝っても、中東アラブ地域に民主的な秩序が構築されるわけではない。カショギ氏事件が照らし出した中東には、どこまでも寒々しい光景が広がっている。

 

<注>
1. The Time, The Choice: Time’s Editor-in-Chief on Why the Guardians are the Person of the Year, (http://time.com/person-of-the-year-2018-the-guardians-choice/)
2. Reporters Without Borders, Worldwide Round-Up of Journalists Killed, Detained, Held Hostage, or Missing in 2018. (https://rsf.org/sites/default/files/worldwilde_round-up.pdf)
4. The New York Times, Turkey Believes Prominent Saudi Critic Was Killed in Saudi Consulate in Istanbul (https://www.nytimes.com/2018/10/06/world/turkey-believes-prominent-saudi-critic-was-killed-in-saudi-consulate-in-istanbul.html), The Washington Post, Turkey concludes Saudi journalist Jamal Khashoggi killed by ‘murder’ team, sources say, (https://www.washingtonpost.com/world/middle_east/turkey-concludes-saudi-journalist-khashoggi-killed-by-murder-team-sources-say/2018/10/06/31ee4f86-c8d9-11e8-9c0f-2ffaf6d422aa_story.html?utm_term=.673f95d24ea8), 2018年10月6日。
5. NYT, Turkish Officials Say Khashoggi Was Killed on Order of Saudi Leadership (https://www.nytimes.com/2018/10/09/world/europe/jamal-khashoggi-turkey-saudi-arabia.html)、2018年10月9日。
6. NYT, In Khashoggi Disappearance, Turkey’s Slow Drip of Leaks Puts Pressure on Saudis, (https://www.nytimes.com/2018/10/19/world/europe/turkey-khashoggi-saudi-arabia.html), 2018年10月19日。カショギ氏の婚約者Hatice Cengizは同氏の職場だったWPに真相解明を求める寄稿をしている。これも米国世論に訴える情報戦の一環だったと考えられる。WP, Hatice Cengiz: The international community must bring my fiancé’s killers to justice ( https://www.washingtonpost.com/news/global-opinions/wp/2018/11/02/the-international-community-must-bring-my-fiances-killers-to-justice/?utm_term=.ff547808d848)
7. Sabah, Turan Kışlakçı canlı yayında açıkladı: Cemal Kaşıkçı öldürüldü( https://www.sabah.com.tr/gundem/2018/10/08/turan-kislakci-canli-yayinda-acikladi-cemal-kasikci-olduruldu)、2018年10月7日。
8. Sabah, Operasyon: Kaşıkçı (https://www.sabah.com.tr/galeri/dunya/operasyon-kasikci
İşte 15 kişilik suikast timi (https://www.sabah.com.tr/galeri/turkiye/iste-15-kisilik-suikast-timi/8)、2018年10月10日。
9. NYT, The Jamal Khashoggi Case: Suspects Had Ties to Saudi Crown Prince (https://www.nytimes.com/2018/10/16/world/middleeast/khashoggi-saudi-prince.html?module=inline)、2018年10月16日。
10. Yeni Şafak, Yeni Şafak vahşetin ses kaydına ulaştı: Cemal Kaşıkçı işkenceyle katledildi (https://www.yenisafak.com/gundem/cemal-kasikci-cinayeti-ses-kaydi-3402672) 2018年10月17日。
11. 2012年に成立したマグニツキー法(Magnitsky Act)は、ロシア政府関係者の汚職を告発して獄死したロシア人税理士の名を冠した法律で、汚職や人権侵害に関与したロシア人や組織に対し、ビザ発給の停止や米国内資産を凍結する権限を大統領に与えている。2016年に成立したグローバル・マグニツキー法(Global Magnitsky Act)は制裁対象を世界中に広げた。
12. 米・ト間の「人質交換」を巡る行き違いについては以下を参照。Aaron Stein, The Atlantic, “Turkey Frees US Pastor, But Bumps in Relationship Remain,”(https://www.atlanticcouncil.org/blogs/new-atlanticist/turkey-frees-us-pastor-but-bumps-in-relationship-remain)、2018年10月12日。
トランプ政権は2018年3月、一部の国を除き、世界各国から米国が輸入する鉄鋼とアルミニウムにそれぞれ25%、10%の追加関税を課している。
13. 2018年9月の外貨準備高847億1,400万ドルに対して、同時期の短期対外債務残高は1,168億8,300万ドルに達していた(トルコ中央銀行:国際収支統計サイト(http://www.tcmb.gov.tr/wps/wcm/connect/EN/TCMB+EN/Main+Menu/Statistics/Balance+of+Payments+and+Related+Statistics/))。
14. トルコも8月4日に対抗措置として、米国のセッションズ司法長官とニールセン国土安全保障長官にトルコ国内資産凍結等の報復制裁を科していたが、11月2日に同時解除した。
15. カタールはトルコが経済苦境にあった2018年8月、トルコへの150億ドルの直接投資と30億ドルの通貨スワップを約束した。Financial Times (FT), Qatar agrees $3bn currency swap with Turkey (https://www.ft.com/content/e3bdbcea-a48c-11e8-8ecf-a7ae1beff35b) 2018年8月21日。
16. NYT, Jamal Khashoggi Body Double Created False Trail in Turkey, Surveillance Images Suggest (https://www.nytimes.com/2018/10/22/world/middleeast/jamal-khashoggi-turkey-saudi-arabia.html), 2018年10月22日。
17. BBC News Türkçe, AKP Genel Başkan Danışmanı Yasin Aktay: Cemal Kaşıkçı'nın korktuğu fazlasıyla başına gelmiş oldu (https://www.bbc.com/turkce/haberler-turkiye-45909985)、 2018年10月19日。
18. Gönül Tol, Turkey’s Bid for Religious Leadership, How the AKP Uses Islamic Soft Power, Foreign Affairs,(https://www.foreignaffairs.com/articles/turkey/2019-01-10/turkeys-bid-religious-leadership)、2019年1月10日。
19. The Economist, An Arab haven in Turkey: Why dissidents are gathering in Istanbul (https://www.economist.com/middle-east-and-africa/2018/10/11/why-dissidents-are-gathering-in-istanbul ),2018年10月11日。
20. Matthew Hedges and Giorgio Cafiero, The GCC and the Muslim Brotherhood: What Does the Future Hold? Middle East Policy, Vol. XXIV, Spring 2017(https://www.mepc.org/journal/gcc-and-muslim-brotherhood-what-does-future-hold)。
21. 4か国に続いて、モルディブ、モーリタニア、セネガル、ジブチ、コモロ、リビアの東部政権、イエメンのハディ政権が断交を表明した。
22. Fehim Tastekin, Will Turkey remain involved in Libya? Al-Monitor (https://www.al-monitor.com/pulse/originals/2018/11/turkey-libya-why-ankara-withdrew-palermo-conference.html), 2018年11月21日。
23. Zach Vertin, Red Sea Rivalries: The Gulf States Are Playing a Dangerous Game in the Horn of Africa, Foreign Affairs, (https://www.foreignaffairs.com/articles/east-africa/2019-01-15/red-sea-rivalries), 2019年1月15日。
24. Christopher Phillips, Eyes Bigger than Stomachs: Turkey, Saudi Arabia and Qatar in Syria, Middle East Policy, Vol. XXIV, Spring 2017,(https://www.mepc.org/journal/eyes-bigger-stomachs-turkey-saudi-arabia-and-qatar-syria ).
25. Birol Baskin, Middle East Institute, A new Turkey-Saudi crisis is brewing, (https://www.mei.edu/publications/new-turkey-saudi-crisis-brewing) 2019年1月8日。
Al-Monitor, UAE steps up anti-Turkey efforts in Syria (https://www.al-monitor.com/pulse/originals/2019/02/uae-syria-turkey-containment-efforts-kurds-erdogan.html) 2019年2月25日。
26. David Lepeska, Foreign Affairs, Turkey Casts the Diyanet: Ankara's Religious Directorate Takes Off (https://www.foreignaffairs.com/articles/turkey/2015-05-17/turkey-casts-diyanet) 2015年5月17日。
27. Yeni Şafak, Erdoğan: Turkey is the only country that can lead the Muslim World (https://www.yenisafak.com/en/world/erdogan-turkey-is-the-only-country-that-can-lead-the-muslim-world-3463638) 2018年10月15日。
28. VOA, Jamal Khashoggi: A Profile (https://www.voanews.com/a/who-is-jamal-khashoggi/4610403.html), 2018年10月19日。
29. Murat Bardakçı, Haber Türk, “Kaşıkçı”, daha doğrusu “Hâşukcî” ailesi,(https://www.haberturk.com/yazarlar/murat-bardakci/2179369-kasikci-daha-dogrusu-hasukci-ailesi )、2018年10月15日。
30. NYT, For Khashoggi, a Tangled Mix of Royal Service and Islamist Sympathies (https://www.nytimes.com/2018/10/14/world/middleeast/jamal-khashoggi-saudi-arabia.html) 、2018年10月14日。
32. Jamal Khashoggi, The U.S. is wrong about the Muslim Brotherhood — and the Arab world is suffering for it, WP (https://www.washingtonpost.com/news/global-opinions/wp/2018/08/28/the-u-s-is-wrong-about-the-muslim-brotherhood-and-the-arab-world-is-suffering-for-it/?utm_term=.6f9f12548755)、2018年8月28日。
34. NYT, Year Before Killing, Saudi Prince Told Aide He Would Use ‘a Bullet’ on Jamal Khashoggi, (https://www.nytimes.com/2019/02/07/us/politics/khashoggi-mohammed-bin-salman.html)、2019年2月7日。
35. Reuters, Saudi prince says Turkey part of 'triangle of evil': Egyptian media (https://www.reuters.com/article/us-saudi-turkey/saudi-prince-says-turkey-part-of-triangle-of-evil-egyptian-media-idUSKCN1GJ1WW)、2018年3月7日。
36. Hatice Cengiz, NYT, My Fiancé Jamal Khashoggi Was a Lonely Patriot (https://www.nytimes.com/2018/10/13/opinion/jamal-khashoggi-saudi-arabia-fiancee-mbs-murder.html) 2018年10月13日。
37. Yeni Şafak, Erdoğan: Kaşıkçı cinayeti planlı 18 kişi İstanbul'da yargılansın (https://www.yenisafak.com/gundem/cumhurbaskani-erdogan-kasikci-olayi-planli-bir-cinayet-3403966) 2018年10月23日。
38. FT, Khashoggi casts a shadow on crown prince’s show (https://www.ft.com/content/ea2a5ef6-d6de-11e8-a854-33d6f82e62f8) 2018年10月24日。
39. Hedges and Cafiero, 前掲資料。
40. The Atlantic, Saudi Crown Prince: Iran's Supreme Leader 'Makes Hitler Look Good' (https://www.theatlantic.com/international/archive/2018/04/mohammed-bin-salman-iran-israel/557036/) 2018年4月2日。
41. NYT, C.I.A. Concludes That Saudi Crown Prince Ordered Khashoggi Killed (https://www.nytimes.com/2018/11/16/us/politics/cia-saudi-crown-prince-khashoggi.html) 2018年11月16日。
42. Whitehouse, Statement from President Donald J. Trump on Standing with Saudi Arabia (https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/statement-president-donald-j-trump-standing-saudi-arabia/) 2018年11月20日。
44. Reuters, U.S. Senate hands Trump historic rebuke on Saudi Arabia (https://www.reuters.com/article/us-usa-saudi-yemen-idUSKBN1OC2S3) 2018年12月14日。
45. H.J.Res.37 - Directing the removal of United States Armed Forces from hostilities in the Republic of Yemen that have not been authorized by Congress.(https://www.congress.gov/bill/116th-congress/house-joint-resolution/37/text?q=%7B%22search%22%3A%5B%22h.j.+res+37%22%5D%7D&r=1&s=2) 2019年2月14日。
46. FT, Senate votes to end US support of Saudi coalition in Yemen (https://www.ft.com/content/1bd6fd28-4602-11e9-b168-96a37d002cd3?desktop=true&segmentId=7c8f09b9-9b61-4fbb-9430-9208a9e233c8) 2019年3月14日。
48. Steven A. Cook, Mohammed bin Salman Is Worse Than a Criminal. He’s a Symbol. Foreign Policy (https://foreignpolicy.com/2018/12/04/mohammed-bin-salman-is-worse-than-a-criminal-hes-a-symbol/) 2018年12月4日。
49. The Hill, The remarkable similarities between 9/11 and Jamal Khashoggi’s murder  (https://thehill.com/opinion/international/413940-the-remarkable-similarities-between-9-11-and-jamal-khashoggis-murder) 2018年10月31日。
50. 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)、Turkey: UN expert delivers early findings in Khashoggi probe (https://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=24146&LangID=E)、2019年2月7日。
51. WP, For first time, Saudi Arabia rebuked at the UN Human Rights Council (https://www.washingtonpost.com/world/2019/03/07/first-time-un-human-rights-council-rebukes-saudi-arabia/?utm_term=.c1de2ffeca93) 2019年3月9日。
52. WP, How Erdogan took control of the Khashoggi case (https://www.washingtonpost.com/world/2018/10/24/how-erdogan-took-control-khashoggi-case/?utm_term=.5119f373d16c), 2018年10月24日。
53. BBC Monitoring, Explainer: What’s behind Turkey’s pro-Erdogan outlets leaking Khashoggi claims? (https://monitoring.bbc.co.uk/product/c200bnfn) 2018年10月19日。
54. Sabah, İşte sır perdesini aralayan delil! İnfazını kaydetti (https://www.sabah.com.tr/gundem/2018/10/13/iste-sir-perdesini-aralayan-delil-infazini-kaydetti) 2018年10月13日。
55. CNN, Why claims Khashoggi's Apple Watch recorded alleged murder are unlikely (https://edition.cnn.com/2018/10/13/middleeast/khashoggi-apple-watch-analysis-intl/index.html)、2018年10月14日。
56. Daily Sabah, Khashoggi murder one step closer to resolution with striking new findings (https://www.dailysabah.com/politics/2018/12/29/khashoggi-murder-one-step-closer-to-resolution-with-striking-new-findings) 2018年12月28日。
57. Al-Monitor, Khashoggi fiancee grieves slain journalist, demands justice in new book (https://www.al-monitor.com/pulse/originals/2019/02/khasshoggie-fiance-memoir-justice.html) 2019年2月13日。
58. Al Jazeera, Jamal Khashoggi's body likely burned in large oven at Saudi home (https://www.aljazeera.com/news/2019/03/jamal-khashoggi-body-burned-large-oven-saudi-home-190304011823218.html) 2019年3月4日。
59. Sputnik Türkiye, AK Partili Aktay: Cemal Kaşıkçı'nın cesedini eriterek yok etmişler, (https://tr.sputniknews.com/turkiye/201811021035959122-ak-partili-aktay-cemal-kasikci-ceset/) 2018年11月2日。
60. Middle East Eye, Three months on, Turkish probe into Khashoggi murder at a standstill (https://www.middleeasteye.net/news/three-months-turkish-probe-khashoggi-murder-standstill)2019年1月2日。
61. Sputnik Türkiye, Kılıçdaroğlu: Kaşıkçı'nın katilleri, para karşılığında serbest bırakıldı(https://tr.sputniknews.com/turkiye/201810231035793683-kilicdaroglu-cemal-kasikci-katil-para-karsiligi-serbest-birakildi/) 2018年10月23日。
62. Reuters, Turkey's ruling party to sue opposition over criticism of Khashoggi investigation (https://www.reuters.com/article/us-saudi-khashoggi-turkey/turkeys-ruling-party-to-sue-opposition-over-criticism-of-khashoggi-investigation-idUSKCN1N7264) 2018年11月3日。
63. NYT, ‘Our Hands Can Reach You’: Khashoggi Case Shakes Saudi Dissidents Abroad (https://www.nytimes.com/2018/10/08/world/middleeast/saudi-jamal-khashoggi-dissent.html) 2018年10月8日。
65. NYT, My Sister Is in a Saudi Prison. Will Mike Pompeo Stay Silent? (https://www.nytimes.com/2019/01/13/opinion/saudi-women-rights-activist-prison-pompeo.html) 2019年1月13日。
66. ICPOが加盟国の申請により発行する通知で、加盟国で逮捕状が出ている被疑者の所在を特定して身柄を拘束し、申請国に引き渡すよう192の全加盟国に求めるもの。
67. 加盟国から他の加盟国に直接送付されるとともに、ICPO事務総局のデータベースにも登録される国際協力要請または国際警告で、被疑者の逮捕・拘束、所在特定等を要請するもの。
68. The Daily Beast, Interpol Helps Dictators Hunt Down Dissidents—and Me (https://www.thedailybeast.com/interpol-helps-dictators-hunt-down-dissidentsand-me) 2018年11月15日。
69. Foreign Affairs, The Remarkable Scale of Turkey's "Global Purge" (https://www.foreignaffairs.com/articles/turkey/2018-01-29/remarkable-scale-turkeys-global-purge) 2018年1月29日。
71. Can Dündar, When it comes to defending the press, President Erdogan is the world’s biggest hypocrite, WP (https://www.washingtonpost.com/opinions/2018/12/13/when-it-comes-defending-press-president-erdogan-is-worlds-biggest-hypocrite/?utm_term=.f12083a34bd0) 2018年12月13日。
72. Mustafa Akyol, Foreign Policy, Khashoggi’s Death Is Highlighting the Ottoman-Saudi Islamic Rift (https://foreignpolicy.com/2018/10/17/khashoggi-was-the-victim-of-an-ottoman-saudi-islamist-war/) 2018年10月17日。
73. Hedges and Cafiero, 前掲資料。
74. Hilal TV, ULUSTAN ÜMMETE - PROF. DR. YASİN AKTAY İLE İSLAM VE SEKÜLERLEŞMENİN KAYNAKLARI ÜZERİNE-(http://hilaltv.org/ulustan-ummete-prof-dr-yasin-aktay-ile-islam-ve-sekulerlesmenin-kaynaklari-uzerine-3-kisim_V2506.html) 2018年2月14日。
75. Tamara Cofman Wittes, The Brookings Institution, On Jamal Khashoggi, the Muslim Brotherhood, and Saudi Arabia (https://www.brookings.edu/blog/order-from-chaos/2018/10/19/on-jamal-khashoggi-the-muslim-brotherhood-and-saudi-arabia/) 2018年10月19日。
76. Katarina Dalacoura, FT, An ideological struggle will shape Islamism in the Middle East (https://www.ft.com/content/62fcd156-1811-11e9-b191-175523b59d1d) 2019年1月17日。
77. Marc Lynch, The New Arab Order: Power and Violence in Today's Middle East, Foreign Affairs, September/October 2018, (https://www.foreignaffairs.com/articles/middle-east/2018-08-13/new-arab-order)
78. Mara Karlin and Tamara Cofman Wittes, America’s Middle East Purgatory: The Case for Doing Less, Foreign Affairs, January/February 2019 (https://www.foreignaffairs.com/articles/middle-east/2018-12-11/americas-middle-east-purgatory)