ITIコラム

2017年8月31日

 

日系企業の海外現地経営に関心
ITI-HSB(国立ハノイ大学ビジネススクール)セミナー開催報告

大木 博巳
(一財)国際貿易投資研究所
事務局長

 

ITIは8月24日に、ベトナム国立大学ハノイ校ビジネススクール(HSB:Hanoi School of Business & Management)と共催で人材育成にかかわるセミナー(公益財団法人JKA補助事業)を開催した。メコン地域での人材育成にかかわるセミナーの開催は、2015年のミャンマー(ヤンゴン)、2016年のラオス(ビエンチャン)についで今回が3回目となる。夕方18時に始まったセミナーには、HSBの教授陣、MBAコースの学生、一般企業に勤めるベトナム人など25名が参加した。

講師はITIアジアサプライチェーン研究会の委員長、高橋与志広島大学准教授。テーマは、「Developing Human Resources with International Competitiveness: Any lessons from Japan?」。

講演では、1980年代まで国際競争力のあった日本の機械産業と同産業で働く人材が、失われた20年の中でどのような問題に直面してきたか、一方でタイの自動車産業などの人材育成に対して官民でどのような貢献をしてきたかについて紹介した。

講演後の質疑応答では日系企業のサプライチェーンに参加するには何をしたらよいか、日系企業はベトナムで世界の中で最もうまく人材開発を行っている、ベトナムと日本の企業文化の違い、年功序列が維持されているかなど日本の人事管理制度の現状など多様な質問意見が出され、日本企業の人材育成に対して関心が高いことを実感した。

また、ベトナムの通信企業に勤めている参加者からは、海外10か国に投資をしているが、現地企業の人材開発面で困難に直面している、日系企業は上手にやっているが秘訣は何か、日系企業は少人数で現地経営を行っているなど日系企業の海外現地経営についての質問が出るなどベトナム企業の国際化が始まっている印象を受けた。

また、地元ハノイのメディアPeople’s Newspaperから高橋与志広島大学准教授にインタビューが申し込まれた(下写真)。その中で、「第4次産業革命」の中でベトナムはどのように人的資源開発を進めればよいか、日本はどのようにベトナムへ協力できるかといった質問が投げかけられた。日本への大きな期待が感じられる一方で、実際にどんな役に立ってくれるのか評価するような冷静な姿勢も感じられた。