フラッシュ219
2015年1月14日
 

大量の移民流入、連鎖する反移民に苦慮する欧州
―内政を不安定にするリスクの高まり―

 
田中 友義
(一財)国際貿易投資研究所 客員研究員
 

はじめに

昨年11月発足したEU(欧州連合)の行政機関、欧州委員会の新執行部ユンケル委員長が掲げた優先的課題のひとつが、EUレベルの移民・難民対策への取り組みである(注1)。その理由として、近年、アフリカ・中東などEU域外から押し寄せる移民・難民へのEUレベルあるいは加盟国での対応の遅れ、EU域内の周辺部(中・東欧、南欧)から中心部(北部欧州)へ移動する移民(主に、「社会保障ツーリズム」と揶揄される、他国のより整備された社会保障給付や医療などの制度を目当てとした移民労働)の急増に対する受入国側の苛立ちや定住外国人に対する差別・排斥の動きの高まりなどがある。

また、昨年5月の欧州議会選挙で、移民排斥・移民規制を最大の争点に掲げたフランスの極右政党・国民戦線(FN)や英国独立党(UKIP)などのポピュリスト政党が大幅に議席を増やしたことや、オランダ、オーストリア、スウェーデンなどでも同じような動きがみられたことに、欧州委員会や加盟国の政権政党などが危機感を強めたことも背景にある。英国のキャメロン首相の移民規制についての最近の一連の発言は、UKIPの目覚しい躍進に対する危機感を如実に表している。欧州は、押し寄せてくる移民・難民による国内政治や社会を不安定にするリスクを抑制できないことで、苦慮している。

もともと、主権国家の権限領域である移民政策は、加盟国が主体的に進めてきたものが、EU統合の深化に伴って、マーストリヒト条約(EU基本条約)の発効以降、EUレベルの課題と位置付けられ、EUへの権限委譲が徐々に進んできた。EUレベルで移民政策を実効が上がるように推し進めないと、「人(EU市民)の自由移動」という、EU統合の基本原則を揺るがしかねないことになる。

この論稿では、EUの移民政策2つの分野のうち、主として移民(労働者)流入の問題(出入国管理政策)を取り上げており、定住した移民と受入国社会との摩擦(移民排斥・差別など)・社会統合化の問題は対象となっていないことを予めお断りしておきたい。

押し寄せる移民・難民、非常事態の国も

一昨年10月、約500人の欧州への移民・難民の乗った船舶が、イタリア領・ランペドゥーサ島沖で(これまでも、EUへの玄関口として、その最前線に位置するこの島に、しばしば多くの移民・難民が押し寄せてきている)、火災を起こして沈没、300人以上が溺死するという悲劇が起きた。EUでは2010年末チュニジアで勃発した民主化運動に端を発した「アラブの春」以降、政治・社会情勢が著しく不安定になったアフリカ・中東地域から、移民・難民が密航船でイタリア、マルタ、ギリシャ、スペイン、キプロスなどに押し寄せている。さらに、激しい内戦が続くシリアや過激な武装組織「イスラム国」に追われたイラクからの難民も急増して、深刻な問題となっている。景気低迷に苦しむEU加盟国は移民・難民の受け入れに一段と消極的になっている状況の中、この事件をきっかけに、EUレベルで適切な対応策が講じられていないと、欧州委員会に対する厳しい批判が噴出した。

移民の流入は、EU域外からとは限らない。昨年1月から、2007年にEU加盟したルーマニアとブルガリアからの移民(移民労働者)に対する就労規制が撤廃され(労働許可証なしに英国など他の加盟国に入国が可能)、国境管理(検問)が廃止されることが決まっていた。しかしながら、急増する不法移民や治安悪化への警戒心がドイツ、オランダなどを中心に強まったことから、検問廃止措置が凍結された。欧州の多くの国々はシェンゲン協定(注2)に基づき、パスポートの点検なしに国境を越えることを認めている。この協定に加盟するには、すでに加盟している欧州26ヵ国の全会一致の合意が必要となる。ルーマニアとブルガリアは、シェンゲン協定への加盟を目指して交渉していたところが、廃止直前になって、ドイツなどが反対したことから、「人(EU市民)の自由移動」のルールは、当面、両国民には認められないことになった。2013年7月にEU加盟したクロアチアについても、同様の国境管理が導入され、最大限2020年6月まで7年間継続される模様である。

シェンゲン協定に加盟しているEU(現在22カ国)の中でも、移民・難民が大量に押し寄せてくるために、非常事態に陥っているイタリア、ギリシャ、スペインなどの国には、一時的に国境審査を復活できるようにする規制改革の動きや英国のように、加盟国が移民制限できる権限をEUに認めさせようとする動きも強まっている。

域外から移民流入、毎年170~180万人増、2060年までには5500万人純増へ

ところで、EUに毎年どの程度の規模の移民が流入しているのだろうか。EU統計局(EUROSTAT)の最新統計によると、2012年にEU域外(非加盟国)からの流入移民は、169万4,000人に上っている(表1)。また、ほぼ同じ約170万人の移民が居住していた加盟国から他の加盟国に移住したものと、同統計局は推定している。

移民流入が相対的に多い主要5カ国のなかで、ドイツが59万2,000人(加盟国および非加盟国からの流入移民。以下同じ)で、最大の移民受入国となっている。次いで英国が49万8,000人で、以下、イタリア35万1,000人、フランス32万7,000人、スペイン30万4,000人となっている。

 

表1 EUの流入移民の推移(1,000人)

 

2010年

2011年

2012年

EU(27)

1,811*

1,751*

1,694*

ドイツ

404

489

592

スペイン

361

371

304

フランス

307

320

327

イタリア

459

386

351

英国

591

566

498

*印は暫定値を示す。
(注)EUはクロアチア(2013年7月EU加盟)を除く27ヵ国。域外(非加盟国)からの流入移民の合計。各国は域内(加盟国)および域外(非加盟国)からの流入移民の合計。

(出所)EU統計局(EUROSTAT)移民統計から作成。

 

また、流入移民のうち、他国籍移民の比率が最も高い国は、イタリアの91.6%で、域外移民の比率は61.9%となっている(表2)。次いで、スペインが89.6%、域外移民の比率は56.6%と、南欧に域外からの移民流入が集中していることを示している。他方、ドイツは、他の加盟国からの移民の流入が50.4%と最も高い比率となっている。フランスは自国籍の移民の流入比率が他の4カ国と比べて、突出して高い。

 

表2 EUの流入移民(国籍別)(2012年、1,000人、%)

 

合計

自国籍

他国籍

小計

加盟国籍

非加盟国籍

ドイツ

592(100)

87(14.7)

504(85.0)

299( 50.4 )

205(34.6 )

スペイン

304(100)

32(10.4)

273(89.6)

100(33.0)

172(56.6)

フランス

327(100)

116(35.4)

212(64.6)

91(27.7)

121(36.9)

イタリア

351(100)

30(8.4)

321(91.6)

104(29.7)

217(61.9)

英国

498(100)

80(16.1)

418(83.9)

158(31.6)

260(52.3)

EU

1,694*

 

 

 

 

*暫定値を示す。
(注)各国合計は、四捨五入・国籍不明などのため一致しない。カッコ内は各カテゴリーの比率を示す。

(出所)表1と同じ。

 

次に、居住外国人の状況をみてみると、2013年で、EU(27ヵ国)の総人口5億141万人のうち、2,037万人の外国人(非加盟国籍)が合法的に居住しており、総人口の4.1%を占めている(表3)。また、1,370万人の加盟国籍者が他の加盟国に居住している。ドイツに居住する外国人は769万6,000人と最も多く、総人口の9.6%を占めている。その他4カ国も総人口の6~10%が外国人居住者である。これら5カ国で居住外国人の約77%を占めている。

 

表3 EUの居住外国人の推移(1,000人、%)

 

2011年

2012年

2013年

EU(27)

20,502*

20,679*

20,370(4.1)*

ドイツ

7,199

7,410

7,696(9.6)

スペイン

5,312

5,236

  5,073(10.9)

フランス

3,875

3,944

4,089(6.2)

イタリア

4,570

4,826

4,388(7.4)

英国

4,487

4,802

4,930(7.7)

*印は暫定値を示す。
(注)EUは非加盟国籍の外国人居住者の合計。各国は加盟国および非加盟国籍の外国人居住者の合計。カッコ内は各国の総人口に占める居住外国人の比率を示す。

(出所) 表1と同じ。

 

また、欧州委員会の報告書によると、2060年までにEU加盟国に流入する移民の純増数は合計5,500万人になると予想されており、ほぼ70%が4カ国に向かい、イタリアへ1,550万人、英国へ920万人、ドイツへ700万人、スペインへ650万人が流入すると予測している。2060年にはEUの総人口は、5億2,300万人に増加すると予想されている(注3)。

このような状況をEU加盟国の人々は、どのようにみているのだろうか。1つの事例として、移民の社会的受け入れに相対的に寛容に対応してきたフランス人の反応を知ることができる。フランスの人権諮問委員会が昨年4月、フランス政府に提出した「人種差別報告書」によると、フランス国民の74%が「移民は多すぎる」と考えている。また、国民の77%が「移民は社会的保護を受けるためにだけフランスに来る」と考えているという結果が出ている(注4)。

シェンゲン・アキ、国境検問廃止・人の自由移動を実現

もともと「人の自由移動」はEU統合当初(EEC,ECの時期を含めて)からの重要な柱の一つではあったものの、出入国管理は基本的には各加盟国の主権のもとに行われて、EUとしては何の権限も持っていなかった。1985年に締結されたシェンゲン協定はEU条約(当時のEC条約)の枠外の国際条約で、協定締結国間での国境検問などの廃止が合意されたものであった。

1993年発効のマーストリヒト条約(EU条約)の中で、移民問題がEU共通の問題と位置付けられるようになった。すなわち、「EU市民権」規定が導入されることで、加盟国籍保持者は、他の受け入れ加盟国の国民と同じ待遇で域内を自由に移動でき、国籍国と同じ待遇で働くことができることとなった。他方、非加盟国民(第三国籍保持者)はいずれかの加盟国民に帰化しない限り、EU市民権を獲得することはできなかった(注5)。

その後、1999年発効のアムステルダム条約(改正マーストリヒト条約)では、「自由・安全・司法の領域」の実現が表明されているが、これは、EU市民が「自由に、安全に、かつ、法的に守られた状態で域内を移動できる領域」を形成することを目指すものであった。EUレベルで合法移民、非合法移民に対する、より一層緊密な出入国管理を行うための制度改革によって、シェンゲン協定がアムステルダム条約の付属議定書に編入されて、EUの枠内に取り込まれることになった(シェンゲン・アキ)(注6)。シェンゲン協定によって、EU市民であるかEU域外の外国人(非加盟国籍者)であるかに関わらず旅券検査などの出入国審査(域内国境管理)が廃止され、また、対外的には、シェンゲン協定加盟国共通の短期滞在査証(ビザ)が発効される共通ビザ政策がとられている。

2004年、2007年のEUの「東方拡大」は(注7)、EUの共通移民政策の方向性に大きな影響を与えることとなった。その1つが、既存の加盟国と大きな経済格差のある中・東欧からの大規模の労働力の移動が起きるのではないかという強い懸念であった。つまり、かつての移民の送り出し国(ポーランドなどの中・東欧)であった新規加盟の「域内」から受入国(ドイツ、英国、フランスなど)である既存加盟の「域内」への人の移動の問題である。もう1つのより重要な問題が、東方拡大によって、EUの境界線の東への移動による「域外」から「域内」への移民の大量流入の問題である。新規加盟した中・東欧を経由して移民希望先(ドイツ、英国などが想定される)を目指して、国境外から押し寄せてくる移民・難民に対する新規加盟国による国境管理の強化とEUレベルの共通政策の徹底によって、EU域内の「自由・安全・司法の領域」の原則が遵守されることが重要であった。というのは、EU域内の人の自由な移動は、一度必要な手続きをとり、合法的に域内に入ってきた第三国民(非加盟国籍者)に対しても認められているからである(注8)。

移民を巡る論争、受け入れは是か非か

先の欧州議会選挙で、反移民、移民排斥を最大の争点に掲げるフランスの国民戦線(FN)が、25%の支持票を獲得して第1党に躍進、英国でも反移民・移民規制 を主張する英国独立党(UKIP)も第1党に躍進し、欧州社会を震撼させた。好転しない経済・雇用情勢や、移民問題に不満を募らせる世論の支持が強まっていたからである(注9)。フランスはFNや最大野党の国民運動連合(UMP)などが、シェンゲン協定の撤回を求める動きを強めている。欧州危機後のドイツ経済は「1人勝ち」のはずだが、移民・難民の流入を単独では支えきれないという不満が鬱積し、移民への寛容さを失いつつある。

英国政府は、ルーマニア、ブルガリアからの移民労働者に対する就労制限が2013年末に廃止されることを受けて、EU移民に対する社会保障給付条件の厳格化などの移民規制の導入を決定していたが(注10)、さらに、本年5月に議会選挙を控えているUKIPに保守党の支持票が流れることを恐れたキャメロン首相は、「移民は現代のオープンな社会と経済にとって不可欠なものだ」と強調しつつも、「英国に来る移民を適正にコントロールし、社会福祉の悪用を防ぐための追加の手段が必要だ」として、新たな移民制限措置を導入すると発表した(注11)。今後EUと交渉して移民規制の権限を承認するよう求める考えである。交渉がうまく行かなければ「いかなる選択肢も排除しない」と話し、EU離脱も辞さない考えである(注12)。

また、これまで、中・東欧から大量の移民労働者を受け入れてきた英国は、社会保障ツーリズムの横行を最も懸念している。しかし、欧州委員会は社会保障ツーリズムの懸念には根拠がないし、実態もないと批判している。

英国内では、加盟国からの移民受け入れを巡って様々な議論が出されている。大量の移民の受け入れは、雇用はもとより、住宅、教育、医療などの公共サービスを圧迫して、質の劣化を招くという反対論である。反対論の背景として、2004年の東方拡大の当時、ブレア労働党政権が原則、無制限で移民を受け入れた結果、ポーランドなどからの移民労働者に最初から就労を自由化した結果、政府の想定を10倍も大きく上回る約100~150万人の移民の流入を招いたことが影響している。

他方、移民労働者の受け入れは英国に利益をもたらしてきたという賛成論も多く出されている。移民労働者は、相対的に若く、教育水準が高く、就業率も国内労働者より高い傾向にあるので、経済的・財政的に貢献しているという。また、移民の受け入れが、欧州社会の高齢化、労働人口の減少、生活水準の停滞などさまざまな理由から、政治的選択ではなく経済的な解決策であるとする意見である(注13)。

事実、EUレベルの雇用政策でも、移民が流入しなければ、将来人口が減少し始める見通しとなっており、高齢化に伴ってサービス業や運輸業などを中心に労働力不足が深刻になるとみられ、戦略的に労働力を確保するために移民を受け入れてきている。例えば、2009年から実施されている高度技能者を対象とした「ブルーカード指令」(注14)である。これは、EU域内で高度な専門職に就く意志のある域外からの移民労働者に対して、査証の発効や延長手続きの迅速化、規制の緩和や域内の労働移動の自由化などを定めている。この指令は2年以内で国内での法制化が求められていて、フランスは2011年、ドイツでは2012年から関連法が施行されている(注15)。

おわりに

欧州理事会は、ランぺドゥーサの事件の直後の首脳会議で、再発防止のための対応策を急きょ協議、共通移民・難民政策の強化に乗り出した。首脳会議の結論は、①根本原因解決のため難民発生国および経由国との協力を強化すること、②国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国際移住機関(IOM)との協力を強化すること、③地中海およびEU南東部国境沿いにおける欧州対外国境管理協力庁(FRONTEX)の活動を増強すること、④欧州国境監視システム(EUROSUR)の早期導入、加盟各国の国境監視当局による情報共有体制を整備し、域外国境における人命救助に役立てることなどとなっている(注16)。

欧州委員会は昨年11月から、ランペドゥ-サの悲劇の再発防止のため、欧州対外国境管理協力庁(FRONTEX)の地中海域の活動を増強した(注17)。各国艦船の協力を得て、難民船に乗った難民を保護・収容するとともに、密航業者を取り締まる。イタリア、スペイン、ギリシャなども、自国の財政状況が厳しいこともあり、国境管理や不法移民問題について欧州全体で対応すべきだとして、EUの財政支援を強化するよう強く求めている。ただ、年間1億ユーロの予算でどれ程の支援ができるのかという問題がある。あわせて欧州国境監視システム(EUROSUR)の導入による南欧および東欧国境での不法移民の監視強化と難民保護への対応については、2014年12月からはすべての加盟国で導入された(注18)。

また、移民・難民政策の見直し策の1つとして、難民申請を1か国に限定することを定めた「ダブリンⅡ規則」(1990年6月の欧州理事会で合意、1997年9月発効)の取り扱い問題がある。難民の扱いを最初に難民が到着した国に義務付けたもので、難民流入の玄関口になっているイタリアなど地中海沿岸の加盟国にとって大きな負担となっている。イタリアなどからの不満が高まっており、欧州理事会では、難民・移民受け入れの責任分担などの広範かつ長期的な政策を抜本的に見直すことで合意した(注19)。

本年は欧州にとって試練の年となろう。経済のデフレ懸念が一段と強まる中、その口火が1月下旬のギリシャの総選挙であり、その後に続く5月の英国の総選挙である。選挙結果によって、内政のみならずEU全体が不安定になるリスクが急速に高まろう。各国の政治首脳にとっても、始動したばかりの欧州委員会ユンケル委員長にとっても、政治的結束と決断とが一層求められることになる。

 

注・参考資料:
1)「移民」についての定義は、加盟国によって異なっている。 EUの移民政策や条約等で、欧州委員会が使っている定義は、移動により領域内(EU域内あるいは加盟国領内)に流入した人という程度の意味であって、厳密なものを提示しているわけではない。
2)1985年6月、域内自由移動、亡命・難民申請の取り扱いなどを規定した協定をルクセンブルク・シェンゲンでドイツ、フランスなど5カ国が調印。その後EU加盟国、非加盟国が次々と同協定に加盟し、現在EU22カ国、非EU加盟のアイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタインの合計26カ国が参加している。1995年同協定が発効して、シェンゲン域内の国境管理が廃止されている。EUについては、1999年のアムステルダム条約の発効によりシェンゲン条約がEU条約に統合されている。 EU加盟国のうち、英国、アイルランド、キプロス、ブルガリア、ルーマニア、クロアチアは参加していない。
3)Financial Times(December8,2014)、欧州委員会報告書:European Commission(DG for Economic and Financial Affairs),The 2009 Ageing Report:economic and budgetary projections for the EU-27 Member States(2008-2060)(European Economy 2/2009)
4)フランスにおける移民排斥・人種差別などの動きについては、田中友義「変わるフランス人の『人権・平等』意識、揺らぐ政府・EUへの信頼感-反移民・反EUポピュリズムに共感する世論-」(フラッシュ205、2014年9月10日)
5)正躰朝香「 移民政策のヨーロッパ化―EUにおける出入国管理と移民の社会統合をめぐって」(世界問題研究所紀要、京都産業大学、第28巻、2013年2月号)、174~175ページ。
6)シェンゲン協定およびその後の成果(実施協定・共同宣言・決定など)の総体のこと。
7)旧社会主義圏であった中・東欧諸国が、2004年に(マルタ、キプロスを含めて)10カ国、2007年にブルガリア、ルーマニアの2カ国が大挙してEUに加盟した。
8)正躰、前掲論文、175ページ。
9)田中友義「反移民・反EUポピュリスト政党躍進の経済的・社会的背景-欧州議会選挙とフランスの事例からの検証-」(『季刊国際貿易と投資』国際貿易投資研究所、2014年秋号、No.97)75~91ページ
10)移民規制の主な内容は、①EU加盟国の移民労働者に失業手当の申請を入国から3ヵ月間認めず、受給期間も最長6ヵ月に限定する(確実な雇用見込みがある場合を除く)、②新規に入国の求職者には低所得層向けに支給される住宅給付の申請を認めず、所得補助などには新たな所得制限を設定する、③野宿・物乞いなどのEU移民については、強制送還した上で再入国を1年間禁止する(仕事など妥当な理由がある場合を除く)、④規制対象となるような移民を最低賃金未満の賃金で雇用する悪質な雇用主に対する罰金を引き上げるなどとなっている。一部の内容には法改正が必要なため、段階的に実施される(労働政策研究・研修機構「海外労働情報・イギリス」2014年1月)。
11)新提案の主な内容な、①6ヵ月以内に仕事を見つけられなかった移民は国外退去、②英国在住が4年を超えないEU移民は住宅手当など社会保障の対象外、③英国外の子供への児童手当の禁止、④配偶者などの帯同の制限、⑤EU新規加盟国からの移民はその国の経済の統合が進むまで禁止などとなっている(日本経済新聞2014年11月29日)。
12)Reuters(November28,2014),日本経済新聞(2014年11月29日)、英国の欧州懐疑派の台頭やEU離脱の世論の動きについては、田中友義「厄介なパートナー、英国のEU離脱世論(Brexit)高まる」)(フラッシュ170、2013年7月4日)。
13)前掲「海外情報・イギリス」、日本経済新聞(2014年11月29日)、Financial Times(Novemer28,2014) 、Financial Times(December8,2014)
14) Council Directive 2009/50/EC of May 2009on the conditions of entry and residence of third-country nationals for the purposes of highly qualified employment
15)正躰、前掲論文、177ページ。日本経済新聞(2015年1月11日)、 労働政策研究・研修機構編『諸外国における高度人材受け入れを中心とした外国人労働者受け入れ政策』(資料シリーズNo.114,2013年3月)16~17ページ。)
16)長澤孝昭「移民・難民政策の強化に乗り出したEU」(駐日EU代表部公式ウェブマガジン、2013年11月)
17)加盟国による対外国境管理体制の統一性を高めるために創設され、2005年からポーランド・ワルシャワに本部を置いて活動を開始した。主要な任務は、加盟国による国境管理・監視の遂行に対する協力体制の整備、リスクアセスメントに関する共通モデルの構築、国境警備隊の訓練基準の共通化、不法移民送還の共同作業などがある(駐日EU代表部広報誌『europe』(Autumn2006)。
18)欧州全域の国境を視野に入れた監視システムで、その目的は、①EUに密入域する不法移民の数を減らすこと、②海上での不法移民の犠牲者数を減らすこと、③人身売買や麻薬密輸などの国境をまたぐ犯罪を減らし、域内の安全保障を高めることなどである(長澤、前掲論文)。
19)長澤、前掲論文